柔術を始めて指が太くなった話|指輪が入らなくなって気づいたこと

柔術ジムのマットの上で正座しながら、自分の指にテーピングを巻いている女性。青い道着に白帯を締め、落ち着いた雰囲気の中で集中している様子。背景には柔らかい光が差し込み、練習前の静けさが漂っている。
青い柔術着を着て、左手を腰に当て、右手で親指を立てて笑顔を見せる女性のイラスト。ポジティブで元気な印象のプロフィール用イメージ
ゆめこ

柔術を始めてから、体のあちこちが変わった。

中でもいちばん予想外だったのは──

日々の練習で腫れて太くなり、ついに結婚指輪が入らなくなった。

でも不思議とショックではなく、「ああ、これが戦う手か」と思えた。

グリップと腫れのサイクル

柔術では、相手の道着をつかむことを“グリップ”という。

襟・袖・パンツ・裾──とにかく掴んで離しての繰り返し。

そして、掴めば当然、相手はそれを切ってくる。

「バチンッ」とグリップを外されるたび、指関節がミシッと鳴る。腫れて痛い。けれど、次の日には落ち着く。

……そして、また練習で腫れる。

気づいたときには、それが成長のサイクルになっていた。

先生の手を見て納得する

「先生、結婚指輪入らなくなりました」

そう報告したら、なぜかとても嬉しそうに笑われた。

先生の手を見ると、親指から小指まで、全指の関節がゴツゴツ。

ピンポン球でも入ってるんじゃないかと思うほど。

「極めるって、こういうことか…」と一瞬ひるむけど、どこか誇らしくもあった。

テーピングの儀式

スパーリングで壊れると思われがちだけど、実際はドリル練習の時点で痛い。

だから練習前は、全指にテーピングをぐるぐる巻く。

守るためというより、もはや“儀式”。

巻いているだけで「強そう」に見えてしまうから、ちょっと恥ずかしい。

「試合近いんですか?」って聞かれそうなほどの仕上がり。
(予定は、ない。)

指輪もネイルも、まあいいか

女性柔術家はやっぱり指輪をしないらしい。

マニキュアしてる人もいるけれど、私はもう「いいや」の側。

アクセサリーもネイルもメイクも、正直めんどくさい。

指輪が入らなくなったことで、

“やらなくてもいい理由”が正式に手に入った。

「もう女子をサボってもいいんだ」と思ったときの安堵感といったら、

結婚が決まって「もう合コン行かなくていいんだ」と思ったときに似ていた。

“恋愛しなきゃいけない”螺旋から抜け出したときの、あの開放感。

青い柔術着を着て、左手を腰に当て、右手で親指を立てて笑顔を見せる女性のイラスト。ポジティブで元気な印象のプロフィール用イメージ
ゆめこ

柔術を始めて、指は太くなったけど、心は軽くなった。

飾りは減ったけど、実感は増えた。

この指でつかむのは、もう相手の道着だけじゃない。

「無理しないで生きてく私」という、ちょっと笑えて、たまに誇らしい自分だった。

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この記事を書いた人

ストライプゆめこ

アラフォー主婦。お酒が大好きで、これまでストレス解消法といえば晩酌一択。妊娠・出産で体も心もボロボロになりながらも、なぜかブラジリアン柔術にハマってしまいました。
格闘技未経験でも「楽しい!続けたい!」と思える柔術ライフを、リアルな体験談と一緒に発信しています。更年期に負けないカラダ作り&メンタルケアの記録です。