
前転・後転・横回転…。大人になってから“転がる”ことってありますか?
柔術を始めて最初に待っていたのは、技よりも“転がり慣れ”の壁でした。
柔術はとにかく転がるスポーツ
柔術の基本は、前転・後転・横回転など、ひたすら転がること。
日常生活で転がるなんてまずないので、最初は動きに体も心もついていきません。
転がり方を少しミスるだけで、自分の体重がそのままダメージに。
肋骨や首にギシッとイヤな痛みが走ることも多々ありました。
首と肋骨は“お休み”が最善の薬
痛めたときは1~2週間ほど練習を休めば自然に回復します。
でも「ちょっと平気かも」と無理して出ると、
ペアのドリル(特定の技や動作を繰り返し練習すること)中に軽く乗られただけで激痛が走って戦意喪失…。
潔く休むことが、いちばんの近道でした。
バルボーザエビで自重クラッシュ!?
特に苦戦したのが「バルボーザエビ」というムーブ。
「肩と頭とつま先3点で支えて…」と先生は軽やかに言いますが、
初心者の私は「は?」で頭がいっぱい。
焦って真似をしたら、着地をミスって自重で肋骨にズシン。
“初心者あるある”だそうですが、笑えない痛さです。
横回転が“むち打ち”レベル
体育座りから太ももを抱え、肩→首→肩と横に転がる横回転。
頭では分かっても体が拒否。
できるようになるまで約2か月、練習するたびに首がグキッと。
ひどい日はムチ打ち状態で帰宅することも。
足指だって油断できない
さらに裸足で動くマットは意外とトラップ。
親指をマットに引っ掛けて“プチ捻挫”したこともあります。
転がる、ひねる——非日常の動きが連続する柔術では、小さな故障はもはや通過儀礼かもしれません。
それでも転がりたい
痛い思いをしても
「先生や色帯先輩みたいに軽やかに動きたい!」
その気持ちが勝って、またマットに戻る。
不思議とこの繰り返しが、体を少しずつ“柔術仕様”に育ててくれます。

大人になってからゴロゴロ転がるなんて、想像以上にハード。
肋骨も首もビックリして悲鳴を上げます。
でも、それを乗り越えた先には “自在に転がれる大人” という
ちょっと誇らしい新しい自分が待っていました。