柔術のいいところは、年齢も仕事も関係なく、みんな同じマットで転がれること。
悪いところも、年齢も仕事も関係なく、みんな同じマットで転がれること。
そう、若者と練習してると、いやでも“自分がもう若くない”ことを体で理解させられる。
今日は、そんな現実を受け止めきれない中年の嘆きをお届けします。
若者の動き、見えない。
こっちは「ココとココを掴んで…」と確認してる間に、もうバックを取られてる。
押さえ込もうとしても、釣り上げた魚みたいにビチビチ跳ねるから抑えられない。
たまにマウント取れても、一瞬で返される。
「ちょっと待って」って言いたいけど、試合中にそんな休憩タイムはない。
“休憩をくれない”地獄
スパー中、ようやく有利ポジションを取っても、次の技に入る前に一呼吸置きたい。
でも相手は休ませてくれない。
こちらの「間」を無視してガンガン動いてくる。
あれはもう、別の時間軸で生きてる。
技を覚えるスピードが違いすぎる
先生の「はい、これやってみましょう!」の声と同時に忘れる私。
セコンドから「さっきやったやつ!」とアドバイスされても、「さっきやったやつ??…何だっけ??」と脳がフリーズ。
若者たちは、もうその技を使いこなしてる。
私はまだ「右足がどっちか問題」でつまずいている。
体力のリソースが違いすぎる
スパー1本でヘロヘロになって動けない私の横で、若者は5本目も全力。
しかもそのあと「ちょっと筋トレして帰ります」とか言う。
え、筋トレって“そのあと”にやるものなの?
私はもう“寝る”が次の予定なんだけど。
成長スピードがエグい
久しぶりに組んだ10代男子。
前より明らかに体が硬く、重く、筋肉質になっていた。
少年から青年へ。
その変化に少しジーンとした。
そうか、私は老いを実感しているけれど、同じマットの上では、誰かが成長しているんだなと思う。
若者たちは、寝たら回復する。
私は、寝ても疲れが残る。
でも、一緒に転がって笑っていられるのが嬉しい。
「もう若くはない」って現実を、汗と一緒に笑い飛ばせる場所。
柔術は、そんな“老いとの共存トレーニング”でもある。

