アキレス腱を切ったとき、「もうしばらく動けない」と思っていました。
手術&入院、松葉杖生活、リハビリ地獄…。
そんな未来が頭に浮かんで絶望していたときに出会ったのが「歩行療法」という治療法。
ギプスで固定しているのに、歩いて治す。
半信半疑で始めたこの方法が、結果的に私の復帰への最短ルートになりました。
歩行療法ってどんな治療法?
一般的に、アキレス腱断裂は手術か、ギプスでの完全固定の「保存療法」が主流。
でも「歩行療法」は、固定した状態であえて歩くことで血流を保ち、自然な癒合を促す治療法です。
動かしすぎると再断裂のリスクがある一方で、動かなさすぎると筋肉が落ちてしまう。
その中間を狙った、“人間の回復力を信じる治療”という感じ。
もちろん自己判断で真似できるものではなく、医療機関で角度や固定を厳密に管理しながら進めます。
私が通ったのは、「歩行療法」を専門に扱っている接骨院でした。
- 詳しく知りたい方はこちら:さかい接骨院 公式HP
共感したのは「患者さんの不安へのまなざし」
さかい接骨院のHPを読んで共感したのは、“病院での素っ気ない対応に不安を感じた方が多い”という部分。
私は幸い、実際に不親切な対応を受けたわけではありませんが、過去に救急病院で働いていた経験があるので、そこに書かれていた状況が手に取るようにわかりました。
救急の現場では、専門医が不在のことも多く、「今日は応急処置だけで、詳しくは明日」といった対応になりがちです。
患者さんは痛みと不安の中で来ているのに、説明が少なく“置いてけぼり”になってしまう。
現場を知っているからこそ、「こういう不安にちゃんと寄り添ってくれる場所があるのは本当にありがたい」と感じました。
ギプス生活と歩行練習の日々
「歩けますよ」と言われても、最初は正直怖かった。
ギプスで足首を固定されたまま、つま先に加重をしないよう“ガニ股歩き”。
右足を45度外に向けて開き、そろりそろりと踵に体重をかけていく。
転んだらまた断裂するんじゃないかという恐怖と戦いながら、毎日ちょっとずつ前進しました。
意外だったのは、体幹やお尻の筋肉がバッキバキに鍛えられたこと。
ただ歩いているだけなのに、全身運動。
近所のスーパーに行くだけで“1日肉体労働したような疲労感”。
でも、そんな日常動作ひとつひとつがリハビリであり、筋肉と自信を取り戻す過程でした。
ギプス生活を支えた神アイテム
正直、お風呂のことが一番憂うつでした。
「ギプスにビニール巻いたり、濡れないように気を使わなきゃならないのでめんどくさくなりそう…でも幸い冬だから、いっそキャンセルもありか?」
そんなふうに思っていたんです。
そんなとき、さかい接骨院で使い方などを紹介してもらったのが「TAKUMEDの防水カバー」。
こんな神アイテムあったのかと感動して、その場で即購入しました。
湯船に浸かれるだけで、もう天国。
お風呂のありがたみを、人生で初めてかみしめました。
ケガの治療って、体よりもメンタルのケアが大事なんだと痛感しました。
回復して気づいたこと
ギプスで歩く生活を続けているうちに、今までは目にも入らなかった“松葉杖の人”や“びっこを引いて歩く人”が、自然と目に入るようになりました。
「大変ですね」と声をかけたくなる気持ち。
ケガをして初めてわかる、他人への共感。
これはリハビリよりも、ずっと深い心のリハビリでした。
アキレス腱断裂という、まさかのトラブル。
でも「歩行療法」に出会って、“動きながら治す”という新しい回復の形を知りました。
歩けるってすごい。動けるって幸せ。
焦らず、でも止まらずに、少しずつ前へ。
そうやって過ごすうちに、
「人間の体には、自分で治ろうとする力がちゃんと備わっている」ことを実感しました。
歩行療法は、その自然治癒力を信じて寄り添う治療なのだと思います。
ギプス生活は不便の連続だったけれど、
あの時間があったからこそ、
“治る力はちゃんと自分の中にある”と心から信じられるようになりました。

